皆さん、こんにちは。
Matephysiです。
いかがお過ごしでしょうか。
年度末で仕事に忙殺されたり、卒論や修論の準備で気が休まらない日々を過ごしている方もいらっしゃるでしょうか。
僕もその一人です。
忙しくなればなるほど、特にそれが自分のやりたいことと一致していない場合、
「本当にこのままでよいのだろうか」
と、ついつい考え込んでしまいます。
心の歯車と、外部の歯車が全くかみ合わず、
さらに悪いことに、外部の歯車が心の歯車に食い込み強制的に動かしているような感覚。
そんなときは、音楽でも聴きながら自分の過去の行いや将来について思いを巡らせてみるといいかもしれません。
しかし、やはり考えすぎると心身に不調をきたすので、考えすぎもよくない。
そのバランスがなかなか難しいものです。
今日は、ついつい考えすぎてしまうあなたに、
思想家Alan Wattsの言葉を歌詞に用いたINZOの楽曲「Overthinker」を紹介します!
彼の言葉を通して、自らの思考体系を見つめなおすきっかけになればと思います!
なんとも神秘的な曲!!
さて、どんなことを語っているのでしょうか。
メインパート二つを和訳してみます!
A person who thinks all the time
Has nothing to think about except thoughts
So, he loses touch with reality and lives in a world of illusionBy thoughts I mean specifically, chatter in the skull
Perpetual and compulsive repetition of words, of reckoning and calculatingI’m not saying that thinking is bad
Like everything else, it’s useful in moderation
A good servant, but a bad masterAnd all so-called civilized peoples
Have increasingly become crazy and self-destructive
Because through excessive thinking they have lost touch with realityThat’s to say
https://genius.com/Inzo-overthinker-lyrics
We confuse signs
With the real world
常に考え事をしている人は
その思考によって閉ざされてしまうんだ
だから、その人は現実との接点を見失って幻想の世界を生きてしまうのだよ思考とは、私にとっては特に、頭の中の会話を
言葉や勘定と計算の永続的で強迫的な反復活動を意味している別に考えることが悪いと言っているのではない
他のものと同様に、適度であれば役に立つ
良き召使いではあるが、悪い主人なのだそして、文明人と呼ばれるすべての人々は
ますます正気を失って自己破壊的になってきている
なぜなら、過度な思考を通じて、彼らは現実との接点を見失ってしまっているからだすなわち、
我々は混同しているのだ、記号と
現実世界とを
1文目に have nothing to do~というフレーズが出てきます。
基本的に「~することは何もない」と直訳して理解できると思います。
ただ、より自然な役にするために文脈に即して訳す必要があります。
今回は has nothing to think about なので、「について考えることは何もない」と訳せます。
文脈や後ろに続く語を考慮して
思考について以外、考えることは何もない
→ その思考以外考えられなくなる
→ その思考に閉ざされる
としました。
また、次のパラグラフ1行目 By thoughts I mean~は、
直訳すると「思考によって私は~を意味する」となります。
これには「思考とは、私にとって~である」というニュアンスがあると思います。
日本語にはない言い回しかと思うので、ある程度慣れが必要ではないでしょうか。
いきなり、むしろ思考が加速しそうな深い内容の歌詞でした。笑
確かに、発展しもので満たされた現代社会においては
ものよりも知恵や知識が重視されています。
そのような常に考えることを要求される現実の社会で生きることで、
むしろ記号と現実を混同し、自己破壊的になり、
リアルな世界を生きれていないのではないか
という言葉は、とても胸に沁みます。
さて、それでは次の語りも見てみましょう。
Most of us would have rather money than tangible wealth
And a great occasion is somehow spoiled for us unless photographed
And to read about it the next day in the newspaper
Is oddly more fun for us than the original eventThis is a disaster
For as a result of confusing the real world of nature with mere signs
We are destroying nature
We are so tied up in our minds that we’ve lost our sensesTime to wake up
What is reality?
Obviously, no one can say
Because it isn’t words
It isn’t material, that’s just an ideaReality is-
https://genius.com/Inzo-overthinker-lyrics
我々のうちほとんどの人は今ここにある健康よりもお金を欲しがるだろう
そして、どうやら絶好の機会も写真に収められない限り台無しになるし
そのことを次の日に新聞記事で読むことは
奇妙なことに、実際のイベントよりもより楽しいのだこれは最悪だ
現実世界の自然を単なる記号と混同している結果として
我々は自然を破壊している
我々は心に縛られているので、感覚を失っているのだ目覚める時だ
現実とは何か
明らかに、誰も答えることはできない
なぜならそれは、言葉ではないからだ
材料でもない。それはただの概念なんだ現実とは、、、
tangibleとは、ケンブリッジ大学辞典によると、
real and not imaginary; able to be shown, touched, or experienced
のことであり、すなわち、
本物であり創造物でないもの、示すこと、触ること、経験することができる
を意味しています。
ここでは、お金という概念との対比として、今ここにある健康と訳しました。
また、中盤で出てくる This is a disaster は日常でもよく使われるフレーズです。
日本語でいうところの、「うわ~最悪や」に相当すると思います。
何か予想外に最悪なことが起こった時に、使ってみてください!
最後に、8行目に so ~ that という構文が出てきています。
これは長文読解などでも頻出で、覚えておいて損はありません。
訳し方は次の3つです。
- 目的 S V so that S’ V’ 「S’がV’するためにSがVする」
- 程度 so A that S V 「SがVするほど、とてもAだ」
- 結果 S V so that S’ V’ / so A that S V 「SがVなので、S’がV’する / とてもAなのでSがVする」
1と2を覚えておき、3は文脈に応じて訳せるようになっておくと良いと思います。
今回は1も2も不自然なので、3. 結果として訳しています。
今日はINZOの「Overthinking」を紹介しました!
Alan Wattsという思想家の言葉に音楽を加えて、とても神秘的でした。
言語や数字に囚われて現実を見失ってしまうことへの危惧が感じ取られました。
変化速度が極めて速くなり、また、インターネットの普及により
経験せずとも様々な知識を取り入れることが当たり前になった現代社会で、
せわしなく自身を変貌させ、また頭でっかちになることを避け、
たとえゆっくりだとしても、自らの経験や身体性を存分に発揮して生きていくことの方が大切ではないか
ということを改めて考えさせられました。
今回訳からは外しましたが、途中で This is the beginning of meditation というセリフも登場しています。
まさに、夜に暗い部屋で瞑想するのにぴったりな楽曲だと思います!!
あと、語りに音楽が付く感じの曲、割と好きなんですよね。笑
前回はジョン・F・ケネディ元アメリカ大統領の演説を歌詞に用いた曲も紹介しました!
よければそちらもご覧ください。[名演説が名曲に!?] お気に入りの一曲 “Klanga – Gostan”
ご覧いただきありがとうございました!
是非、次回の投稿もお楽しみに!