皆さん、こんにちは。Matephysiです。

いかがお過ごしでしょうか。

今日は、ついこの間カウンセラーの民間資格を取得した件について
記事にしたいと思います!

カウンセラーの民間資格

「カウンセラー」や「民間資格」と調べると、いくつかのサイトがヒットします。
ここでは僕が気になったものをいくつか紹介します。

ユーキャンの心理カウンセリング講座

民間資格と聞いて一番最初に思い浮かぶのが、ユーキャンではないでしょうか。
「ユーキャンで資格!」とか「チャレンジユーキャン!」というCMがとても印象的です。

実際、心理カウンセラーの資格を調べるとユーキャンのサイトが出てきました。

ユーキャンでは、3冊のメインテキストを自主学習し、
4回の試験(4回目が資格試験)に合格することで資格が得られるようです。

学習までの流れはこちらをご覧ください。
何度も料金を支払ったりしなくて済むようなので、シンプルに資格が取得できそうです。

WEB SITE:

https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/1522/?il=[top]1522_column01_text

料金(目安):

34,000円

一般財団法人 日本能力開発推進協会の資格

ユーキャンの他にも、日本能力開発推進協会(JADP)は心理カウンセラーの資格を発行しています。

今回、僕が取得したのもこの資格です。

この資格試験の受験のためには
資格のキャリカレの講座を受講し、試験にパスする必要があります。

そのため、本資格を取得するには
申し込みはキャリカレ講座の申し込みと、
修了後のJADP試験の申し込みの2段階の申し込みが必要です。

そういう点では、上記のユーキャンよりも手間がかかり、
料金も高くつきます。

WEB SITE:

https://www.c-c-j.com/course/psychology/mental/rn/
https://www.jadp-society.or.jp/course/mental/

料金(目安):

キャリカレ受講料:66,800円
JADP受験料:5,600円

一般財団法人 こころ財団の資格

最後に紹介したいのが、こころ財団が主催するこころ検定という試験です。

難易度や熟練度に応じてか、4級・3級・2級・1級と分けられています。

カウンセラーとは直接つながりませんが、
人間のこころを理解するために必要な心理学の理解度をチェックし保証してくれる試験のようです。

なぜ取り上げたかというと、こころ検定2級は、
特定非営利活動法人 医療福祉情報実務能力協会(MEDIN)が主催するメンタルケア心理士の資格登録の条件だからです。

このメンタルケア心理士は厚生労働省が推進するジョブ・カード制度にも準ずる資格です。

すなわち、この資格は国から職業能力の証明に値するものと認知されているため、
これまでに上げた民間資格の中で最も強力なものと言えます。

WEB SITE:

https://haec.athuman.com/shop/pages/mentalcare-psychologist.aspx
https://www.c-c-j.com/course/psychology/mental/rn/
https://www.jadp-society.or.jp/course/mental/

料金(目安):

メンタルケア心理士(R)講座受講料:49,600円
こころ検定受験料:7,700円

なぜ取ろうと思ったか

知識の幅や理解度のチェック

読書リストを見ていただければ分かるかと思いますが、
僕は思想や哲学、精神医学に興味を持っています。

これまでも普通の人と比べたら、それなりの量の本を読み知識を蓄えてきました。

まだまだ読みたい本が多く、学びたいこと、考えたいことも多いのですが、
ある時ふと、

実際、自分の今の知識量って世間一般でいうところのどの程度なのだろうか

ということが気になりました。

専門分野ではない思想や哲学を趣味として独学しているので、
理解の度合いが気になったのです。

そこで、一応は社会的に質が認められている資格試験を通じて、
自分の理解度をチェック
しようと思ったのです。

自分自身の身を守るセルフチェック能力向上

現在、世界は高度なストレス社会であるという認識が一般的になってきました。

僕自身も適応障害やうつ病を経験し、
時には燃え尽き症候群や躁鬱病なのではないかと思ってしまうこともあるくらい
ストレスに弱く、そもそも精神面だけでなく身体面もそれほど強くありません。

引きこもり、不登校に近い状態を経験したこともあります。

経験したことがある方であれば分かると思いますが、
そのような状況にいると、

「普通」を何もできていない自分に対する強い嫌悪感
「普通」を強要してくる周囲に対する怒りや被害妄想

に苦しめられてしまいます。

そんな時に、例えば精神科医の内海健先生や斎藤環先生、心療内科医の鈴木裕介先生の本を読むと
世の中にはこんな惨めな自分の状況を自分以上に詳しく理解しており、
そして肯定して応援してくれる人がいるんだと
元気をもらえる
のです。

そして、自分もそのような能力を得て、
ストレスや不条理で溢れた現代社会を何とか乗りこなしたい
と思うようになりました。

ただ、今から精神科医になるのはあまりにも現実的ではありませんし、
国家資格である臨床心理士や公認心理士の資格を取ることも現実的とは思えませんでした。

なぜなら、大学および大学院でそれらの医学や心理学を専門として学びなおす必要があったからです。

そこで目を付けたのが、カウンセラーという資格でした。

自分自身の状況をカウンセリングして、セルフチェックするためにも
資格の勉強をしてみようと思ったのです。

なりたい将来像に向けて

最後に、カウンセラーの資格を取るための勉強は、
将来の僕自身にとっても有益であると感じました。

僕は、順調にいけば博士号を取得し、
低レベルとは言え研究者としての能力を有するものとして
社会で生きていくことになります。

研究者の強みは、
誰もが見過ごしていることを深掘り、
誰も知らなかったことを明らかにすること
です。

すなわち、誰も明確には知らなかったことを発見する先駆者となるのです。

ただ、この言葉を素直に受け取ると、
どこか自己中心的で周りを置いていくようなイメージを連想してしまいます。

そして、そのような態度は往々にして
理性という抗えない圧力によって人々や現状を批判することに繋がってしまいます。

しかしながら、僕は研究者として、あるいは一人の人間として、
理性をもって人々や現状を肯定し、
寛容で包括的なコミュニティを作る手助けをしたい
と思っています。

そのため、研究者という言葉が持つ
理性的で孤高なイメージを何とか払拭したいと思っているのです。

ただ、それは簡単なことではありません。

そもそも出発点が研究者なので、
僕も論理的でない主張にはどうしても頑固に議論を吹っかけて矛盾点を洗い出してしまいがちです。

でも、それではいけないと感じるのです。

したがって、理性の終着点としての博士号の取得を目指すとともに
寛容さを身に着けるためにカウンセラーの資格の勉強が必要だと思ったのです。

良かったこと・悪かったこと

では、実際に勉強し資格試験に合格した今、
良かったことと悪かったことを振り返ってみようと思います。

○ カウンセリングについて学べた。

カウンセラーの資格なので当たり前ですが、
テキストのメインはカウンセラーとしての心構えだったように思います。

カウンセリングの事前準備や運営方法は、どれだけ学術的な本を読んでも学べないことだったので
新しく知れてよかったです。

自分がカウンセリングを受ける際も、
カウンセラーが何に気を使ってカウンセリングをしているのかを理解できているので、
スムーズに、かつ不必要にモヤモヤせずにカウンセリングを受けることができるようになりました。

○ 知識の確認と補完ができた。

先に述べたように、今回の資格の勉強は
これまで独学で学んだことの理解度チェックも兼ねていました。

その目的は達成できたと思います。

また、心理学の知らない分野も多少あったので、まだ手が届いていない領域を意識することができました。

× 表面的な知識が多いという印象を受けた。

これはコインの裏表のような話ですが、
独学で学んだ自分ですら知っていることが多かったので、
これは大学の心理学のテキストの最初の数ページ程度の内容なのではないか
と不安に思いました。

普段から数百ページの本を読んでいる人間からすると、
数十ページの雑誌のようなテキストが学習に十分であるとは全く思いません。

今回学んだことは表面的な知識であることを常に頭の片隅において、
これからも勉強を続けていきたいと思いました。

× 簡単すぎる。

あまり言い過ぎると誤解を招く可能性がありますが、
添削問題や資格試験は極めて簡単です。

僕が受講した講座では4冊のメインテキストと4回の添削問題がありましたが、
2時間ほど集中して取り組むとすべて終わりました。

届いてすぐ送り返したので、
どちらかというと待ち時間の方が長く、
物足りなさも覚えました。

やはり、これで終わることなく、勉強し続けることが必要だと思いました。

民間資格はなぜ意味がないのか

民間資格そのものに意味がないということはないと思います。

僕のように、ちょっと腕試しで受験したいと思う人が一人でもいれば、
それは民間資格が存在することの意味になります。

では、なぜ意味がないと言われているのでしょうか。

それは単純に求人がないからです。

すなわち、民間資格を持っているという理由だけで人を雇う団体がいないからです。

意味がないという人にとっては、仕事にならないから投資効果がないということなのでしょう。
個人的には、そのような批判をする人は視野が狭いと思います。

どんな資格であれ、どんな行動であれ、
やりたいと思うのであればあれこれ考える前にやってしまった方が良いです。
(もちろんお財布や自分の置かれた状況とはしっかりと相談してください。)

資格の役割について

繰り返しになりますが、民間資格の勉強は
仕事獲得のための起死回生の一手にはなり得ません。

では、資格の役割は何でしょうか。

言語行為論というヒント

資格の役割を考えるためには、
「パフォーマティブ」と「コンスタティブ」という言語学の概念が重要です。

パフォーマティブ/コンスタティブ、という区分は発話行為論で知られる20世紀イギリスの哲学者、ジョン・ラングショー・オースティン(John Langshaw Austin)によるもの。パフォーマティブとは行為遂行的な発話のことであり、コンスタティブとは事実確認的発話のことである。  コンスタティブな発話とは、何かしらの事実/事態についての発話であり、真か偽かを判断することが可能なものである。

http://www.critiqueofgames.net/data/index.php?%A5%D1%A5%D5%A5%A9%A1%BC%A5%DE%A5%C6%A5%A3%A5%D6

パフォーマティブな言語行為の代表例に、結婚があります。

「私はあなたと結婚します。」

これは、現時点で二人が結婚という状態であることを確認する言説ではありません。

むしろ、この言葉を発することで、
二人の結婚という状態を維持し続けようという意思を発信しているのです。

一方で、コンスタティブな言語行為は次のようなものです。

「外は雨が降っている。」

状況を記述する事実確認的な発言です。

コンスタティブとしての資格

一般に資格を有しているということは、コンスタティブな意味を持ちます。

すなわち、
「私はカウンセラーの資格を持っています。」
とは、
「私はカウンセラーとして働くことができます。」
という意味です。

しかしながら、先に述べたように、民間資格のみでは求人がありません。

言い換えるならば、
「私はカウンセラーとして働くことができません。」
となるのです。

だとすると、上記の関係性は成り立ちません。

したがって、コンスタティブな文脈においては
事実上、民間資格を持っているとは言えなくなる、
すなわち、民間資格は意味がなくなるのです。

パフォーマティブとしての資格

では、パフォーマティブな側面で資格を捉えるとどうなるでしょうか。

パフォーマティブとは行為遂行的な発話のことでした。

したがって、
「私はカウンセラーの資格を持っています。」
は、
「私はカウンセラーに相応しい振る舞いをすることを心掛けます。」
となるのではないでしょうか。

すなわち、資格を持っているということは、
資格やその肩書きが有する社会的な期待に応えられるように
常に勉強し能力を向上し続ける覚悟を持っている
ということになるのではないでしょうか。

僕の場合は特に、上述のパフォーマティブな側面に注目して
民間資格の獲得を目指しました。

この場合の資格の役割は、
資格を持っていると宣言する機会を与えることで
自分自身がその資格にふさわしい人間になるように努力する覚悟を与えること
です。

ぜひ、民間資格に興味を持っている人や、迷っていて最後の一歩が踏み出せない人は、
仕事や損得を超えた視点で見てみてください。

まとめ

今回、JADPの心理カウンセラーの資格を取得したので、
そのことに関連して記事を書きました。

民間資格と調べるとすぐに「意味がない」と出てきて、
なんだかやる気がそがれそうになりますが、
興味があるならやってみればいいと僕は思います。

特に、資格のパフォーマティブな側面に注目すれば、
資格やその獲得に費やした勉強は決して無駄にはなりません。

むしろ、資格を取得するということは
資格を取りたいと思わせたあなたの理想像が現実化するスタートライン
になります。

もちろん、資格を取った上で、意味がなかったなら理由を添えて意味がないと言えばいいし、
意味が見いだせたならそれで良いと思います。
他人からの評価を気にして何もしないのが一番もったいない気がします。

最後に本音を述べると、やっぱり高いですね。。。
資格ビジネスと揶揄されても納得してしまいます。笑

ご覧いただきありがとうございました!
是非、次回の投稿もお楽しみに!

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