[人間の本来性への自覚] Preacher ― One Republic

皆さん、こんにちは。
Matephysiです。

いかがお過ごしでしょうか。
最近はまた気温が下がってきて、ふと気を許すと体調を崩してしまいそうになりますね。

さて、今日僕が紹介したい曲は、One RepublicのPreacherです。

この楽曲は2013年にリリースされたアルバム「Native」に収録されている一曲です。

Preacherとは、特にプロテスタントの牧師として、人々に説教をする人のことです。

この曲では、ボーカル・ライアンの祖父がPreacherであり、
そんな彼との思い出が描かれています。

日本人は宗教に無自覚なので、どうしても信仰系の話からは目をそらしがちで
昨今の状況を踏まえると、ますますその傾向は強まってしまうのかなと思っています。

しかし、大切なのは

自らが大切にしている信念を「持つ」ことと
それを何かに「利用する」ことは違う

ということではないでしょうか。

僕も一般的な日本人と同様に、何も信じていないと思って生きている人間ですが、
この曲を聴くと、その形はどうであれ、

太古の昔から受け継がれてきたものにこそ
人間本来の尊さが内包されている

と感じます。

高度に発達した技術の中で生きる我々が大切にすべきものは何か、
失ってしまったものは何か、
そんなことをゆったりと考えてしまう

このPreacherはそんな曲だと思います。

では、そんな名曲Preacherの歌詞を紹介します!

When I was a kid, I used to buy and sell gravity
I knew how to fly, and I would teach you for a fee
Broke every window in my hotel heart
When I was only 5 years old, but 12 years scarred

And I’d hear the same voice echo in my mind
It’d say, “Son, you’ve got an angle.”
That’d chase the devil at night

https://genius.com/Onerepublic-preacher-lyrics

俺が子どもだった時は重力を自由に操ってたもんさ
どうやったら飛べるか知っていたし。お金をくれたら教えてあげるよ
心の窓はすべて壊した
たった5歳だったけど、12年分の傷がついてたよ

心の中で同じ声がこだましてだんだ
「息子よ、お前には天使がついている」
それが夜中に悪魔を追い払ってくれていた

冒頭の二文がすでに感動ものです。
子ども時代の無邪気さと、それでいて真剣な本人の姿勢が絶妙に表されています!!

buy and sell は「売買する、転売する」などと訳せそうですが、
ここでは対象がgravity「重力」だったので、自由にできるというニュアンスで訳しました。

for a fee は「有償で」という意味で、労働などに対する対価(fee)の必要性を暗示しています。
for free 「無償で」と間違えると全くの真逆の意味になるので、日常生活でこの表現に遭遇した際はお気をつけて!!

When I was a kid, my grandfather was a preacher
He’d talk about God, he was something like a teacher
He said, “God only helps those who learn to help themselves.”
He was a million miles from a million dollars
But you could never spend his wealth

https://genius.com/Onerepublic-preacher-lyrics

俺が子どもだった時、おじいちゃんは宣教師だった
彼は神について語り、なんだか教師のようだった
「神は人々を助けようと努力する人を助けるんだ」って言ってたな
彼は億万長者からは程遠かったけど
彼の恩恵は尽きることがないよ

ここで、宣教師だった祖父の思い出が語られます。

彼の教えは

“God only helps those who learn to help themselves.”

です。

まず、those who とは、those “people” who の略で、
「~するその人々」と訳せます。

また、learn to do は「学んで~する」という意味で、そこから転じて「努力して~する、経験から~するようになる」と訳せます。

to には、例えば、go to やget into のように「~へ、~に」という
こちら側から向こう側へ矢印(→)が飛んでいくイメージ
があります。

to 不定詞にも同様に矢印のイメージを持つことができ、
現在から未来への指向性
を感じ取ることができます。

よって、learn to do を「~することを学ぶ、学んだ」と訳してはいけません。
そのような表現をしたい場合は、learn doing が適しています。

つまり、祖父の教えは
「自らの経験を通して人々を助けようと努力する人々だけを、神は助ける」
となります。

million は百万という数字を表す表現です。

数字関係はとてもややこしいのですが、0が3つ増えていくごとに

thousand → million → billion
1,000 → 1,000,000 → 1,000,000,000

となると覚えてしまった方が早いと思います。

また、million dollars は日本円で約1億円なので、「億万長者」と訳しています。

最後の一文は、直訳すると「彼の富を消費することは決してできない」となりますが、
これはすなわち、彼の富が尽きることがないほど有り余っているということです。

ただ、前文で億万長者からは程遠いと言っていたので、
この富はお金ではなく、彼からの教えに由来する「恩恵」や「恵み」を指していると思います。

むやみやたらに人助けを要求したり、
評価や名声など、損得勘定に基づいて人を助けたりすることを言わず、
自らがまず学び、その結果として人々を助けるようになることが大切だという感性は、
今の社会から抜け落ちてしまっているようにふと感じました。

誰しもが形式的な善を建前上実践するよりも、
たとえ時に過ちを犯してしまったとしても、
自らの経験をもとに内側から湧き上がる力に従って人を助けるような社会の方がいいなあ
と思ったりもしますね。

理由はよく分からないけれど、確かにその方がいいなと感じさせ、
また、自分もそのような姿勢で生きようと思わせることこそがまさに、
「祖父は億万長者からは程遠かったけど、彼の恩恵は尽きることがない」
を物語っているなと感じます。

I took a little faith, and put it in a parking lot
I drove to a strange town full of ” have” and “have nones”

And as I walked through that story-book life
I’ve been looking for an angle who’d chase the devil at night

https://genius.com/Onerepublic-preacher-lyrics

俺は少し信仰を受け入れて、心に留めておいていた
持つものと持たざるもので満たされた見知らぬ街に行った

そんな物語みたいな人生を歩みながら
俺は夜中に悪魔を追い払ってくれる天使を探しているよ

a little + 名詞は「少しの(名詞)」です。

little + 名詞は「ほとんどない(名詞)」となり、量的には共に少ないことを意味していますが、
ポジティブかネガティブか、伝わってくる印象が全く異なるので注意が必要です。

ここでライアンは祖父から少しだけ信仰を受け取ったことが伝わってきます。

parking lot は「駐車場」のことですが、信仰を駐車場においておくことがあるでしょうか。
また、次の文章では運転して見知らぬ街を訪れていますが、
前文の指示語 it が車を指すとは思えません。

なので、ここでいう「駐車場」は「心の中の一時保管場所」の比喩なのではと考えました。

As ~という表現にも注意が必要です。
一般にAs ~には次のような用法があります。

  1. 時間: ~するとき ≒ when
  2. 理由: ~ので ≒ since
  3. 比例: ~するにつれて
  4. 役割: ~として
  5. 譲歩: ~であるが ≒ though (文頭で倒置が起こる)

他にも文中ではas well asのような比較として用いられることもあります。
意味のパターンを押さえたうえで、文脈に即して訳してみてください。

ここでは、1. 時間 に相当し、「歩いていたとき、歩きながら」となります。

冒頭の歌詞を踏まえると、ライアンは祖父の教えを胸にしまって都会の喧騒に揉まれた結果、
「息子よ、お前には天使がついている」
という祖父の声を見失っているようです。

彼にとっては祖父の言葉ですが、我々にとってはある意味、
本来の人間性を見失っている状態に対する苦悩
として捉えることができるかもしれません。

その後の歌詞で、ライアンは祖父が「」についてだけでなく
」や「人生」についても語っていたと言っています。

まさに彼はライアンにとって人生の先生だったのでしょう。

また、そう思わせるのは
本来の人間に無意識的に染みついた善い生き方を呼び起こす、祖父の尽きることのない恩恵
なのでしょう。

疲れているときに不意に聞くと、思わず涙が出てしまいます。笑

現状の生き方に何か大切なものが抜け落ちているかもしれない。

今日はそう感じさせてくれるOne Republicの名曲「Preacher」を紹介しました!

是非アルバム「Native」を買って聞いてみてください!

ご覧いただきありがとうございました!
是非、次回の投稿もお楽しみに!

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