「教養」とは何か, 阿部謹也(著), 株式会社 講談社, 1997. (Amazonリンク)
阿部先生の前作『「世間」とは何か』に引き続き、世間を取り扱った本です。
前作は日本人の教養人が世間をどのように見ているかがメインで、
歴史の振り返りに多くのページが割かれていた印象でしたが、
本書はドイツや中国、アイルランドの世間や教養のあり方に目を向けることで半ば自動的に客観的に分析できるためか、
それらに対する議論が豊富でした。
個人の内部だけではなく、世の中や世間の中で教養を位置づけることの大切さを学びました。
前作と本作を両方読むことで、
漠然と分かった気になり、かつ暗黙裡に私たちを縛り付ける世間というものを
論理的に理解することができると思います。
Matephysi評価
★★★★☆
2024年10月19日