反「大学改革」論 若手からの問題提起, 藤本夕衣, 古川雄嗣, 渡邊浩一(編著), 株式会社ナカニシヤ出版, 2017. (Amazonリンク)
大学の閉鎖性を壊し、
風通しがよく自立した組織にしようという建前を持つ大学改革
しかしながら、よりよい状態を目指すという改革によって現場は混乱し、
これまで以上に教育や研究に対するリソースが不足していくことで
大学改革は本末転倒な状況を生み出しているのではないか。
そのような現状の大学改革に対する問題意識を持った若手研究者の論文集です。
紙面や構成の都合上、一貫した歴史的分析が行われているわけではないですが、
様々な背景知識を有する研究者が多様な視点で大学改革の問題点を論じているので
これまで知らなかったものの見方を知ることができます。
知らない分野からの視点で物事を見ることは難しいので、時には論考そのものが難しく感じる場合もあるかもしれませんが、
これまで知らなかった視点を発見し、興味を持つきっかけをくれるので、
今後勉強を重ねるごとに味わいが増していく本なのではないかなと感じました。
大学や教育に興味がある方であれば、読んで損はない本だと思います。
Matephysi評価
★★★★☆
2024年11月21日