堕落論, 坂口安吾(著), 株式会社 集英社, 1990. (Amazonリンク)
割と有名な堕落論を収容した本です。
自らの戦争経験を基に、ただただ堕落を勧める坂口安吾。
そして、堕落の過程で、あるいはその先でこれ以上堕落しないために何かを拵える。
それこそが人生において大切なものなんだ。
堕落論はそのような主張のことかなと感じました。
本書で主に取り上げられていたのは天皇制ですが、
一般に善として広く受け入れられている物事の欺瞞性を指摘し、
その虚偽に騙されないように堕落せよという主張は、とても刺激的に感じました。
どこか加速主義に似ている気もします。
また、不良少年とキリストという章では、太宰治の自殺に対して色々と私見を述べていました。
死んだら負け。死に勝てはしないけど、戦い続けることで、俺は負けはしない。
軽快な語り口で生きる気持ちを燃え上らせてくれます。
非常におもしろかったです。
死にたくなったら、また読もうかな。
Matephysi評価
★★★☆☆
2024年11月14日