夜と霧, V・E・フランクル(著), 池田香代子(訳), 株式会社 みすず書房, 2002. (Amazonリンク)
ドイツがナチス政権に占領されていた時代
ユダヤ人だった彼はアウシュビッツやそれに類する収容所に強制収用されていた
その時の経験をリアルに描き出した本書
その様子の残酷さもさることながら、
絶望に対面した人間が取った行動と、その帰結を知ることが出来るという点で、
本書は偉大である。
特に、クリスマスには救われると信じて止まなかった人が
クリスマスが来ても救われないことに絶望し、寝たきりになってしまったという事実には驚かされた。
我々は将来に希望を託して生きてしまいがちだが、
それがいかに危うい行為なのか。
「我々の生は、その意味や価値に先行する」
実は極めて当たり前に感じる生に関する事実を
我々は忘れてしまっている。
何のために生きているのか。
そのように自問自答し自分自身を苦しめるのをやめて、
自らの生を満喫してみてはどうだろうか。
生きるという行為そのものに勇気を与える素晴らしい一冊。
自らの人生に窒息し悩み苦しんでいる人は是非読んでほしい。
Matephysi評価
★★★★★
2024年5月15日