実在とは何か 量子力学に残された究極の問い

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実在とは何か 量子力学に残された究極の問い

 著者: アダム・ベッカー  ジャンル: 物理教養, 現代哲学, 科学哲学  出版社: 株式会社 筑摩書房  ISBN: 978-4480860927  ページ数: 480
 感想:

実在とは何か 量子力学に残された究極の問い, アダム・ベッカー(著), 吉田三知世(訳), 株式会社 筑摩書房, 2021. (Amazonリンク)

量子論にまつわる解釈の問題について論じた物理学および科学史の本です。
非常に面白かったです。

シュレディンガーの猫の比喩やアインシュタインの「神はサイコロを振らない」に代表される量子力学に対する批判の声は漠然と知っていましたが、
それが何に対する批判なのか具体的には知りませんでした。

本書では、量子力学はおろか、物理学全体で主流となっているコペンハーゲン解釈を基軸にして、
その成り立ちの歴史とそれに対する批判の歴史を詳細に記述しています。

そのため、本書を読めば上述の有名人の漠然とした拒否感が何に由来するものなのかが理解できます。

現状のアメリカ物理学系コミュニティの常識に反旗を翻そうとした学者の不遇も含めて、
学ぶところが多い本でした。

またいつか読み返すこと間違いなしの本です。

Matephysi評価
★★★★★

2024年11月30日


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