教養としての「ラテン語の授業」―古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流, ハン・ドンイル(著), 本村凌二(監訳), 岡崎暢子(訳), ダイヤモンド社, 2022. (Amazonリンク)
ラテン語やその文法に関する大学の講義というよりも、
ラテン語の名言を取り上げ、その内容について歴史や著者の経験を踏まえて大学生に語りかけ寄り添うような、
説教的側面が前面に出ている本でした。
また、名言や章の構成も著者の経験や主張の流れに沿って配置されているので、
単なるフレーズの羅列や知識のひけらかしにならず、
物語性をもって展開されていました。
当時著者の授業は学内外問わず人気を博していたそうですが、
それは著者のお話がラテン語という高尚さ、近寄りがたさ、難易度の高さという印象に反しているからこそ、
また、悩める学生の心に自然と寄り添うものであるからこそなのかなあと感じました。
古代ローマ時代から人生の悩みに対する答えが模索されていたことが知れたのは嬉しかったですが、
言語としてのラテン語については少ししか分からなかったのが残念でした。
Matephysi評価
★★☆☆☆