「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用、アラン・ソーカル, ジャン・ブリクモン(著), 田崎晴明, 大野克嗣, 堀茂樹(訳), 株式会社 岩波書店, 2012. (Amazonリンク)
ポストモダン思想界隈で濫用される数学や物理の専門用語に対して、
数学や物理の専門家である著者が、「意味が分からない」と一刀両断していました。
各哲学者の文章を長く引用して意味が分からないとする章はなんだか不毛に感じましたが、
「はじめに」「間奏」「エピローグ」は読む価値があるなと感じました。
なぜなら、著者は決して、人文学系を見下したり厳密な学問以外認めない強硬派ではないからです。
自然科学と人文学がお互いに車の両輪として人類を前に進めることを願い、通説に批判する啓蒙の書でした。
科学にも人文学にも興味のある僕にとっては、読んでおくべき本だったなと感じました。
Matephysi評価
★★★☆☆