ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力, 帚木蓬生(著), 朝日新聞出版, 2017. (Amazonリンク)
詩人のジョン・キーツが初めて提唱したネガティブ・ケイパビリティという概念を、
精神科医の帚木蓬生先生が紹介した本です。
本書の帯にもあるように、ネガティブ・ケイパビリティとは
「早急な結論、過激な意見にとびつかず、すぐに解決できないことには、
「急がず、焦らず、耐えていく」力」
のことです。
一見すると当たり前のことのように思えますが、
その当たり前の考え方が我々の身体を支配しており、
すべての基礎になっていることが、本書を通して伝わってきました。
本書でも教育や社会問題と絡めてネガティブ・ケイパビリティを論じている章があるように、
単純素朴で基礎的な概念でありながら、今の世の中に必要な概念でもあるのではないかと痛感しました。
Matephysi評価
★★★☆☆