イルカと否定神学―対話ごときでなぜ回復が起こるのか

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イルカと否定神学―対話ごときでなぜ回復が起こるのか

 著者: 斎藤環  ジャンル: 精神分析・発達障害関係  出版社: 株式会社 医学書院  ISBN: 978-4260057356 More Details
 感想:

イルカと否定神学―対話ごときでなぜ回復が起こるのか, 斎藤環(著), 株式会社 医学書院, 2024. (Amazonリンク)

オープンダイアローグという、
「治療を目的とした計画なしでも統合失調症の症状が緩和する」
という不思議な効果をもつ対話実践を取り扱った本です。

特に、ベイトソンとラカンの提唱する概念を援用し
オープンダイアローグがもたらす作用の根本的な要因を哲学的に論じています。

オープンダイアローグの手順を説明するものというよりは、
その中身を紐解くという側面が強いです。
前者の目的で本を探されている場合は、斎藤環先生が監訳された
「開かれた対話と未来―今この瞬間に他者を思いやる」
をおすすめします。

なお、イルカはベイトソンが学習過程を説明する際に用いた例に
否定神学はラカンの精神分析が持つ側面に
由来しています。

不思議なタイトルだなあと思っていましたが、
最後まで読んで腑に落ちました。

極めて平易な言い回しで書かれている本なので、読みやすかったです。

Matephysi評価
★★★★☆


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