皆さん、こんにちは。
Matephysiです。
いかがお過ごしでしょうか。
今日は、僕の大好きなイギリス人歌手 Henry Moodie さんの新曲
「sunday morning」
を紹介します!
僕は彼の曲が大好きで、これまでも数々の代表曲を和訳し紹介してきました。
それらの曲は人間関係や恋愛に悩む心情を美的に表現したものが多く、心をグッとつかまれる歌ばかりでした。
ただ、彼の心境や状況に変化が訪れたのか、
前回公開された曲「comedown」から明るく前向きでポップな曲が続いています!
実は僕自身、憂鬱な気分に寄り添ってくれる曲を好んで聞く傾向があるので、
前回の曲「comedown」は和訳記事を投稿していません。
先日公開された新曲「sunday morning」もまた、アップテンポな曲だったのでリリースと同時に和訳記事を出すことはしませんでした。
しかしながら、ここ数日間鬼リピしていて
とてもクセになる曲だと感じ始めたので、彼の新曲をより深く知るために
僕Matephysiなりに和訳してみようと思い立ちました!
最近はX(旧 Twitter)やPalmuという配信アプリもはじめたので、
皆様の感想をぜひお気軽に教えてください!
それでは早速、彼の新曲の世界観を見ていきましょう。
It’s quarter after midnight, you light your cigarette
outside a strangers party, here we go, maybe I’ll confess.You say let’s take it inside, but I’m here inside my head.
https://youtu.be/kg2HZrtKH3Q?si=hycSH7lvhnp9puP2
I’m scared if I keep drinking, here we go, maybe I’ll confess.
今は深夜を回ったぐらい、君は知らない人ばかりのパーティから抜け出して
たばこに火をつけているね
よし、たぶん僕は自白するよ君はそろそろ戻ろうかと言うけれど、僕はもう自分と向き合っているよ
飲み続けたらどうなるか怖いけど、
よし、たぶん僕は自白するよ
僕が彼の曲が好きな理由の一つが素敵な情景描写です。
歌詞の冒頭ですぐに彼の世界観に引き込まれます!
“quarter after midnight”は
midnight 「深夜12時」から quarter 「4分の1、15分」だけ after 「後」という表現で
深夜12時15分のことを意味します。
ただ、厳密な数字に意味があるわけではないので
ここでは「深夜を回ったぐらい」とぼやかして意訳しています。
パーティもだんだん終盤に差し掛かり、ダレてくる時間帯といったところでしょうか。
案の定、彼が思いを寄せている人物は“light one’s cigarette”「たばこに火をつけて」います。
ここはあくまでも情景描写なので、どのような訳し方をしても良いのですが、
箇条書きで和訳するわけにはいかないので“outside a strangers party”は一文目に含めて和訳しています。
“Here we go”は直訳すると「ここらで我々も行こう」となります。
使用される文脈に応じて様々な訳し方ができますが、
何かの行動を起こす前の掛け声「よし!」のようなニュアンスで使用されます。
“confess”は「何かを告白する、自白する」という意味の動詞で、
特に、何か間違った物事や良くないと感じている物事を口に出して認める
というニュアンスがあります。
場面設定からはパーティを抜け出した二人が愛の告白をするシーンを思い浮かべてしまいますが、
この動詞から、どうやら必ずしもポジティブな告白ではないことが伺えます。
続く歌詞“You say let’s take it inside, but I’m here inside my head.”では
inside (中へ、内側へ)という共通の単語を境にとても興味深い対比構造になっています。
直訳すると
「君は中に行こうかというけど、僕はここで既に頭の中にいるよ」
となります。
これはどういう意味でしょうか。
たばこを吸っていた相手は、パーティ会場の外から中に移動することを提案しています。
しかしながら、彼にとって会場に戻るということは
自白したい内容を忘れ、自分自身の内部から再び外の世界へと戻ることを意味します。
そのため、中に移動せずともすでに自分自身の内側に移動していることを表明しているのです。
したがって「中に行こう」と言われて「でも僕はすでに中にいるよ」と返答する
ダブルミーニングな状況が生み出されます。
ついつい自分自身の感情に支配されてしまい、周囲の様子に目が向きづらくなっている状況を
とても鮮明に表現している素敵な情景描写ですね!
I’m just a fool, for falling for you
https://youtu.be/kg2HZrtKH3Q?si=hycSH7lvhnp9puP2
cuz you said there’s no strings attached, I say I’m okay with that!
僕はただのバカだ。君に恋に落ちるなんて
だって君は何の感情もないって言ってたし、僕はそれでも全然いいよって言うからね
サビ前のこの歌詞で、なぜ彼が “confess” という動詞を使っていたのかが判明しましたね!
彼はどうやら叶わぬ恋をしていたようです。
詳しく見てみましょう!
“no strings attached” は直訳すると「糸の付着していない」となります。
糸がモノを縛るイメージを持つことからわかるように、
ビジネスや人間関係に対して使用されることで
「一切の条件がない、一切の見返りなしで」
というニュアンスが含まれた表現として使用されます。
また、もし条件付きである場合は “with strings attached” と表現します。
特に利息や条件が付く場合に使用されるようです。
では、“there’s no strings attached”「そこには条件がない」とは、どういう意味でしょうか。
実は、no strings attached は NSA と略されてスラングとして使用されています。
これは言わば、感情移入を伴わない体のみの割り切った関係を意味します。
要するに、彼は体のみの割り切った関係を持つと宣言された相手に恋に落ちてしまっているのです!
そして、どうやら彼はそれでいいとすら思っているようです。
これは確かに、
本当はだめだと分かっている物事について告白するという意味の confess
という動詞を使うのにもってこいの状況ですね。
Your friends, making out with my friends half of them are missing, making bad decisions
https://youtu.be/kg2HZrtKH3Q?si=hycSH7lvhnp9puP2
kiss me on the weekend, now I’m catching feelings, I know you ain’t calling, me on Sunday morning
僕の友達とイチャついてその大半はいなくなって、良くない決断をしている君の友達は、
週末に僕にキスをして、今僕は好きになっている。
日曜の朝に君が電話してこないことは分かっているけどね
“make out” は「書類を作成する」という従来の意味の他に
「イチャイチャする」というスラング的意味合いがあります。
サビの一文目は、“,”(カンマ)を使って文章が挿入された現在分詞の形式をとっています。
そのため、“Your friends” とその説明文は主語に当たります。
また、動詞を探すと、“kiss” を見つけることができます。
主語と動詞を見つけておくと訳すときに便利です!
“catch feelings” は「好きになる、恋心を抱く」という意味の表現です。
なかなか拗れた関係性ですが、昨今の若者からすると当たり前に起こり得るものなのでしょうか。
And now we watch the sunrise, you call a taxi home
https://youtu.be/kg2HZrtKH3Q?si=hycSH7lvhnp9puP2
And you kiss me in the backseat, why do I feel so vulnerable?
そして、僕らは日の出を見て、君は帰宅するためタクシーを呼ぶ
後部座席で僕にキスをして
僕はどうしてこんなに感傷的なんだろう
“sunrise”は「日の出」、“sunset”は「日の入」を表す名詞です。
冒頭では深夜を回った時間帯だったので、それから日の出を見るまで時間を過ごしたようですね。
“vulnerable”は、身体的にも精神的にも感情的にも傷つきやすくなっている状態を表現する形容詞で
「感傷的である、傷付きやすい、脆弱な」という意味があります。
以降の歌詞は繰り返しになるので省略します。
いかがだったでしょうか。
Henry Moodie さんの新曲「sunday morning」は、ポップで心地良い曲調とは裏腹に、
体だけの関係しか持たないと言われている相手に思いを寄せてしまい、
相手の行動に心を揺さぶられ感傷的になってしまう禁断の恋に溺れる心境を歌った
切ない大人な恋愛の曲でした!
彼の情景・心情描写のセンスが光る新曲でしたね。
最後に、彼のツイートを紹介して本記事を終えようと思います。
彼は新曲「sunday morning」を紹介する投稿で
pick up the phone on sunday morning
と表現しています!
「pick up the phone」は彼の代表曲の一つで、
困ったときにはいつでも連絡して。君は独りじゃない。
という暖かいメッセージが込められた名曲です。
今回紹介した「sunday morning」が叶うはずのない恋に心を痛める曲であるからこそ、
傷心した主人公を心配し心を癒してくれる親友がそばにいてくれること
を暗示しているのかもしれません。
彼の楽曲をすべて聞くことで我々が人間関係で感じる機微を繊細な歌詞と曲とともに追体験できるはずです!
これからも彼の活動には注目していきたいですね!
僕はこれまで彼の楽曲を和訳しています。
もしこの記事を読んで彼の他の曲にも興味を持った方は、ぜひそちらもご覧ください!
・eighteen
・pick up the phone
・beat up car
・right person, wrong time
・still dancing
・indigo
ご覧いただきありがとうございました!
是非、次回の投稿もお楽しみに!